CNTs|触媒表面状態制御による(6,4)カーボンナノチューブの優先合成
プラズマCVD直前に高真空アニールプロセスを導入して触媒表面状態を制御することで、これまでいずれの手法でも合成が困難とされてきた(6,4)カイラリティの優先合成に世界で初めて成功しました。(6,4)カイラリティは他のナノチューブに比べ高い量子効率を持つことから、光電子デバイスへの応用が期待できます。さらに、(6,4)カイラリティの優先合成機構を触媒表面状態におけるナノチューブと触媒間の結合エネルギーを考慮することで説明しました。今後のカイラリティ制御に繋がる重要な指針と考えています。
Scientific Reports, Vol. 7, No. 11149, pp. 1- 9, 2017.9.11.
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20170911_03web.pdf
CNTs|Au触媒プラズマCVDによる(6,5)カーボンナノチューブの優先成長
触媒活性の低いAu触媒をプラズマCVDに取り入れることで、(6,5)カイラリティが優先的に合成できることを見出しました。
Journal of the American Chemical Society, Vol. 132, No. 28, pp. 9570-9572, Jun. 2010.
CNTs|時間制御プラズマCVDによるカイラリティ分布の狭い単層カーボンナノチューブ合成
プラズマCVDが持つ合成時間を秒単位で制御できる特徴を活用することで、カーボンナノチューブのカイラリティ分布の合成時間発展を観測しました。これにより、核発生が開始するまでのインキュベーション時間に明確なカイラリティ依存性が存在することを発見し、合成時間を精密に制御することで、カイラリティ分布の狭い単層カーボンナノチューブ合成を実現しました。
ACS Nano, Vol. 4, No.12, pp 7395-7400, Nov. 2010.
CNTs|プラズマCVDによる単層カーボンナノチューブの合成
プラズマCVDを用いて単層カーボンナノチューブの合成に世界で初めて成功しました。触媒に入射するイオンのエネルギーを極限まで低減し、さらに触媒担持材料としてゼオライトを用いることで、これまで熱CVDでしか合成が確認されていなかった単層カーボンナノチューブをプラズマCVDでも合成可能であることを初めて実証した研究です。
Chemical Physics Letters, Vol. 381, No. 3-4, pp. 422-426, 2003
Journal of the American Chemical Society, Vol. 130, No.25, pp.8101-8107, May. 2008.