GNRs– GNR研究テーマ –

GNRs|グラフェンナノリボン量子ドットデバイスの集積化合成

我々の手法で合成したグラフェンナノリボンの長さを極限まで短くすることで、グラフェンナノリボン量子ドットとして振る舞うことを実証しました。東北大学の大塚先生等との共同研究の成果です。量子ドットにおける規定準位と励起準位が明確に分裂した状態が比較的高温まで観測できることを実証したことで、我々の集積化可能なグラフェン量子ドットデバイスが、良好な量子ドットとして機能することを実証した重要な成果です。今後本格的な量子集積デバイス応用に繋げていく予定です。
Communications Materials, Vol. 3, No. 103, pp. 1-7, 2022.12.22.
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20230106_01web_graphene.pdf  


GNRs|グラフェンナノリボン活用熱電デバイス開発

我々が合成したグラフェンナノリボンが高い熱電性能を持つことを九州大学の李先生らとの共同研究で明らかにしました。合成したままの清浄なエッジ構造を持つことが本質的理由と考えています。今後の熱電デバイス応用に向けて大きな可能性が期待されています。
ACS Nano, Vol. 13, No. 8, pp. 9182-9189, 2019.8.14.


GNRs|グラフェンナノリボン活用不揮発性光メモリ開発

我々の手法で合成したグラフェンナノリボンに酸素プラズマを照射することで、グラフェンナノリボンが不揮発性メモリとして動作することを見出しました。光照射によりグラフェンを流れる電流が変調するパーシステント光伝導という効果による現象であり、グラフェンナノリボンを活用した新しいデバイスの可能性を実証しました。

Scientific Reports, Vol. 8, No. 11819, pp. 1-9, 2018.8.7.
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20180808_01web_ribon.pdf


GNRs|グラフェンナノリボンの大規模集積化合成と合成メカニズム解明

系統的な実験と理論モデルとの比較を通じ、独自に開発したNiナノバーからのグラフェンナノリボン合成手法に関する、合成メカニズムを解明しました。液体状態を取るNi中にプラズマから高効率で炭化水素前駆体が供給され、冷却過程でNiナノバー表面にグラフェンナノリボンが析出し、その後下部のNi液体が両端に液滴拡散することが明らかとなりました。このモデルに従い合成条件を最適化することで、2cm角の基板上に100万本のグラフェンナノリボンを98%以上の効率で集積化合成することに成功しました。本成果はグラフェンナノリボンを活用した各種デバイス応用の実現に向け重要な成果です。
Nature Communications, Vol. 7, No. 11797, pp. 1-10, 2016.6.2.
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20160602_01web.pdf


GNRs|グラフェンナノリボンの集積化合成手法の開発

1次元構造のグラフェンであるグラフェンナノリボンを位置選択的に集積化合成する手法の開発に成功しました。あらかじめ集積デバイスを形成し、そのチャネル部のみに選択的にグラフェンナノリボン合成を行う通常とは逆転の発想です。これにより、1次元Ni(Niナノバー)からグラフェンナノリボンが直接合成されることを発見し、合成したままの清浄界面を持つグラフェンナノリボンを電界効果トランジスタとして動作させることに成功しました。半導体特性を持つグラフェンナノリボンを大規模集積化可能な本手法は、今後のグラフェンナノリボンデバイスの実用化に向け重要な成果です。
Nature Nanotechnology, Vol. 7, No. 10, pp.651-656, 2012.
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20120903_02web.pdf


GNRs|絶縁基板上へのグラフェンの直接合成

グラフェンの合成はNiやCuの金属薄膜表面で行われるのが一般的でしたが、プラズマCVDを用いることで絶縁基板とNi薄膜の界面にグラフェンが析出することを発見しました。表面のNiを除去することで、転写プロセス無しでグラフェンを絶縁基板上に直接合成が可能となり、集積化デバイス応用への貢献が期待できます。
ACS Nano, Vol. 6, No. 10, pp. 8508-8515, 2012.


GNRs|グラフェンの選択的エッジ機能化

マイルドプラズマをグラフェンに対して照射することで、グラフェンエッジのみに選択的に窒素原子をドーピングすることに成功しました。グラフェンの機能制御の観点で重要な成果です。
Small, Vol. 7, No. 5, pp. 574-577, 2011.